まず、トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)とはビタミンA(レチノール)の誘導体で、誰でも血液中にごく微量流れているものですから、抗原抗体反応を起こしたり、アレルギー反応 を起こすことはありません。 トレチノインは米国ではしわ、ニキビの治療医薬品として、FDAに認可されており、非常に多くの患者さんににきび治療の第一選択薬、皮膚の若返り薬として使用されています。現在、日本では認可されておらず、日本国内での販売をすることができません。 表皮の細胞は表皮の一番深い層(基底層といいます)で生まれてから、徐々に表面に押し上げられてきて、やがて角質となり、最後は垢となって皮膚から剥がれていきます。 この表皮の細胞の一生のサイクルを皮膚のターンオーバーと呼び、約4週間かかることが知られています。 大多数のしみは、表皮の一番深い層(基底層)周辺にメラニン色素が沈着しています。この層にはメラノサイトと呼ばれるメラニンを作る細胞があります。通常 市販されている美白剤(医薬部外品)は、メラノサイトがメラニン色素を新しく作る量を減らすような働きをする有効成分が微量含まれてはいますが、非常にそ の作用が弱いうえに、現在沈着しているメラニン色素を外に出してしまうような作用は全くないため、すでに存在しているしみは良くなりません。 トレチノインは、表皮の深い層にあるメラニン色素を外に出してしまう働きを持っています。トレチノインは表皮の細胞を活発に増殖させるために、表皮 の細胞はどんどん押し上げられていき、そのときにメラニン色素を一緒に持って上がっていき、2ないし4週間でメラニン色素を外に出してしまいます。これが トレチノインの特長です。